事業計画
経営革新
計画のテーマ
地域の高齢者を支える
「みまもりサービス」と
「バリアフリーリフォーム」
の提供
65歳以上の一人暮らしの高齢者は、男女ともに増加傾向にあり、30年間で男性で7倍以上、女性で5倍に増加している。これに対して、行政や民間事業者が高齢者みまもりサービスも提供しているが、週栄規制の確保が課題となり事業継続は難しい。
新規事業では地域の高齢者を支える「みまもりサービス」と「バリアフリーリフォーム」の提供に取り組む。
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増え続ける独居老人
30年で男性7倍以上、女性5倍
65歳以上の一人暮らし高齢者は、男女ともに増加傾向にある。内閣府の「平成28年高齢者の経済・生活環境に関する調査結果(全体版)によると、1980(昭和55年)年には、男性が約19万人、女性が約69万人、高齢者人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%であったのに対し、2010(平成22年)年には、男性が約139万人、女性が約349万人、高齢者人口に占める割合は男性11.1%、女性20.3%となっている。つまり独居老人は30年の間に、人数では男性7倍以上、女性で5倍に増加している。高齢者人口に占める割合も、男女ともに約2倍となっている。また、独居老人の増加に伴い、孤独死の発生も増加しており、この10年間で孤独死とみられる死亡例が2倍以上に増加していることがわかる。
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サービス普及への課題
普及を妨げる2つの問題点
高齢者見守りサービスの需要は高い。そのため、見守りサービスの提供に動く行政や民間事業者も少なくない。しかし、普及の妨げとなる大きな問題点が存在する。
それは、「収益性」の問題である。高齢化社会に伴い顧客が増え続ける業界だが、実際にサービスを展開している企業によると、その継続は容易ではない。
日本郵政グループは、2013年10月から試行運用を続けていた「郵便局みまもりサービス」について、本来は本年10月に新会社を設立し、幅広いサービス提供を開始予定だった。しかし、本年6月の時点で、新会社の設立を断念し、縮小したサービスの自社提供を決定している。6月28日の会見にて、日本郵政の社長自ら、新会社設立断念の理由について「採算ベースに載せるのが困難だと判断した」と述べている。
日本郵政グループという日本でも大規模な企業においても、高齢者見守りサービスの収益性確保に関する不安定さを感じているのである。つまり、中小企業にとっても、収益性を兼ね備えたサービスと併用した事業展開でなければ、見守りサービスの事業継続は難しいと言える。
これらを背景として、本計画では、地域の高齢者を支える「見守りサービス」と「バリアフリーリフォーム」の提供に取り組む。
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孤独死の原因
「人とのつながりの希薄化」と
「日常生活の難化」
孤独死が発生する大きな原因として、次の3つが挙げられる。
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近所付き合いの希薄化
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家族との連絡が少ない 又は 家族の訪問が難しい
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加齢による日常生活の難化
上の2つは「人との繋がりの希薄化」であると言える。地域のコミュニケーション減少や、子世代の核家族化・遠方での別居により、高齢者を見守り危険を感知してくれる存在との触れ合いが希薄化しているのである。しかも、高齢者は自身の弱み(体調不良や加齢による日常生活での困りごと)を表出することを躊躇う人も少なくない。そのため、高齢者に異常が発生しても、それに気づく人がおらず、孤独死が発生する。
そして、3つ目の「加齢による日常生活の難化」は、一層コミュニケーションの機会を奪う。加齢に伴い足腰が悪くなる、目が見えなくなる、耳が遠くなるなど、外出や会話への障害が発生するためである。さらに、加齢によるそれらの障害は当たり前の日常生活にも影響を及ぼす。「家の中を移動するのも一苦労」「膝が悪く台所で立ったまま調理を行うことが苦痛」「一人で入浴中に浴槽を跨ごうとして転ぶ」など、当たり前にできたことが出来なくなるのである。そのため、中心とした日常生活の難化は、食生活の悪化や運動不足を招き、健康な生活を阻害することで孤独死を引き起こす原因となる。
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既存事業との相違点
ホテル及び旅館の経営・コンサルティング事業から地域の高齢者を支える「見守りサービス」と「バリアフリーリフォーム」の提供へ
既存事業ではBtoBのコンサルティング事業を実施しており、新規事業ではBtoCの高齢者向けサービ事業を実施する。競合比較では、①高齢者見守りサービスにおける「緊急駆け付けサービス」、②リフォームにおける高齢者との関係性を構築した上でご提案するようなスキーム、この2点で新規性のある取り組みである。